雪に埋もれた五色温泉(標高815m)から栗子山を臨む

 深田久弥は「日本百名山」での吾妻山の一節で次のように述べています。

 「山群中どの山へ登るにしても、その出発点は大てい温泉である。その温泉の一つ、五色温泉から登って、山スキーのオールド・ボーイズにはなつかしい青木小屋(今はない)を根拠にして、家形山(いえがたやま)や一切経山へ遊びに行った記憶は、もう私には三十年も前のものである。

 昨年12月末、ふと旅行業者から送られてきたツアーのパンフレットの中に五色温泉の名前を見つけ、なんとなく雪に埋もれた山奥の温泉宿を想像しました。そのツアーの謳い文句に「山形のんびり秘湯巡り」とあり、それは五色温泉、白布温泉、そして小野川温泉を巡る3泊4日もので、その料金が何と29,800円という廉価ツアーでした。

 白布温泉は天元台でのスキーや夏の西吾妻山登山の基地として前々から一度は泊まってみたいと思っていた温泉であり、また小野川温泉は45年前新婚時代に訪れたなつかしい場所でもありました。

 そのような訳で、このツアーに家内も諸手を挙げて賛成し、申し込んだ次第でした。五色温泉近辺や天元台ではでは、出来たらスノーシューを履いて雪の山を歩き回ってみたいというのがもう一つの目論見でした。

 然しながら、五色温泉の主人はこの辺ではスノーシューなどする人は無いと言い、天元台では折からの日本海を通過した低気圧のため猛烈な吹雪で雪の中を歩き回るどころではありませんでした。