ツアーの概要

 第1日目は朝7時前に自宅を出て電車で新宿まで行き、南新宿のJRバス・ターミナルから9時丁度発の関越交通尾瀬直行高速バスで尾瀬戸倉まで向かった。尾瀬戸倉には12時半頃到着し、そこでマイクロバスに乗り換え鳩待ち峠に着いたのがほぼ午後1時過ぎでした。

 鳩待ち峠からは直接至仏山に向かうルートと尾瀬ヶ原の西端の山の鼻に通ずるルートとがあるが、今回は至仏登山には時間的に遅いので一旦山の鼻の「山の鼻小屋」に向かい、翌朝早く至仏登山に挑戦することにした。因みに至仏山への入山は午後の山頂の天候が不安定になるという理由で、出来る限り朝9時前に出発をという指導がなされているようです。

 鳩待ち峠より山の鼻へのルートは尾瀬ヶ原に注ぎ込む川上川の渓谷を約3.3Km下り降りる一方の道のりで、要所要所には木道も用意されており大変易しい1時間の行程であった。標高差も約200m余りの楽しいハイキング・コースと言った所でした。尾瀬ヶ原に入る最も楽なルート言われているだけあって、小学生くらいの元気な子供の姿も多く見られた。途中で木々の間から翌日登る予定の至仏山の山容も瞥見された。美しい流れの川上川に架かる川上橋を渡るともうそこは尾瀬ヶ原で、尾瀬山の鼻ビジターセンターや至仏山荘の前を通って今夜の宿舎である山の鼻小屋に到着したのは午後2時半過ぎであった。

 山の鼻小屋では我々3人の一行に8畳一部屋が与えられ、昨年宿泊した尾瀬沼畔の「長蔵小屋」のすし詰め状況とは打って変わってゆったりした夜が過ごせそうだ。

 チェックインを済ませてから1時間ほど尾瀬ヶ原を東に向かって散策した。ニッコウキスゲの最盛期は既に過ぎていたが、それでも所々で美しい姿を見せていた。矢張りユリ科らしい華麗な花が見られたので、通りすがりの女の人に尋ねた所、それは「コオニユリ」ということでした。池塘には小さい蓮の花に似た「ヒツジグサ が可憐な花を水面に覗かせていた。空は快晴と言うほどではないが、少し雲をまとった燧ケ岳の姿が東の空に聳えているのが臨まれた。西には明日登頂することになっている至仏山の全容が眼前に迫り、森林限界を抜けた箇所から山頂に一直線に伸びる登山道のギザギザが目に入ってきた。標高差828mを歩行距離2.9Kmで登りつめる厳しい急登が予感された。家内の桂子はあんな急坂を登るのかしらと早々に怖気気味である。

 山小屋の風呂にしては3人だけしか入っておらず、ゆったりと汗を流す事が出来た。食事も山小屋にしてはまあまあというところで、9時の消灯時間を前にして床を敷いて横になって新聞を読んでいるうちに寝付いてしまった。多分午後8時頃であったと思われる。所が、目覚めて時計を見ると何とまだ午前0時40分であってのには参った。

 第2日目の朝は、午前5時丁度部屋の窓を開けた途端素晴らしい快晴の青空が目に入り一遍に目覚めた。至仏山は山頂まで雲ひとつない全容を見せて我々を呼び寄せていた。午前6時57分山の鼻小屋を出立、至仏山登山口まで一直線に伸びる木道を足取り軽く歩き出した。

 登山口からオオシラビソの森林帯に入ると、最初はよく整備されたなだらかな木道が続いたが、石ゴロゴロの急登となり、ものの30分も登った所で最初の休憩をとる。

 更に30分ほど森林帯の中を登ると、森林限界を過ぎ急に視界が開け遥か東方に昨年登頂した懐かしい燧ケ岳の雄姿が現われた。丁度ベンチが用意されていたので2度目の一服を取った。ここから更に1時間程喘ぎ登ると山頂までの中間点標高1,800mの看板が出ていた。標高差828mのやっと半分しか来ていないのかとため息が出る。登り始めてから約2時間で半分なので頂上まで4時間くらい覚悟をしなければいけない。ここまで来ると下の尾瀬ヶ原もよく俯瞰され眺めは最高だ。

 ここから名にし負う蛇紋岩のガレ場の急登が標高2,000mの高天ヶ原まで続く。この地点は1990年代に入って大変荒れ果てて危険なので一時登山道が閉鎖されていた。その後整備され、1998年に再開されて現在に至っている。成る程、至るところに大規模な木の梯子が用意されており、登りはまあまあ何とかなるが、下りは特に濡れている場合は危険に思われた。大きな岩の上の鎖場も2箇所登ったが、これは想像していた程は怖くなかった。

 午前10:40標高2,000mの高天ヶ原のお花畑に到着した。このお花畑は花の種類が豊富な事で有名だ。蛇紋岩に含まれるマグネシウムのせいで寒冷地の植物も育つらしい。ここでは足元の花々は美しかったが、厚い雲が沸いて出て視界は殆ど無くなった。気温もかなり冷えてきた。

 高天ヶ原から山頂まではなだらかな登りで、午前11時丁度ころ標高2,228mの3角点と石標のある狭い頂上広場に到着した。残念ながら厚い雲の為に素晴らしい山頂からの眺望を楽しむ事は出来なかった。丁度JTBの旅物語という大阪からの熟年の団体で狭い広場はごった返していた。この人達は我々より少しだけ若そうな年代でしたが、今日至仏山と明日燧ケ岳のレンチャン登山ということで驚いた。

 頂上では、記念写真を撮り昼食を取って、午前11:40早々に小至仏経由で鳩待ち峠へ向けて下山を開始した。頂上から一歩西側に降り始めると、何とその一帯は厳しい岩場の絶壁で、同行の高田さんはやっと本当の高山に来た感じと大喜び、方や桂子は恐怖心のため腰が引けて下りの速度は一段と落ちるばかり。

 50分ほど雲の中を下ると、俄かに雲が下界の方から晴れて来て、今下りてきた至仏山の山頂方面とこれから登る小至仏山が一瞬ベールを脱ぎ始めた。

 更に下り続けると、森林地帯に入る直前で高地湿原の「オヤマ沢田代」に到着し、そこで一服する。後は森林地帯を黙々と歩き下る。笠が岳・湯の小屋温泉への分岐点を左に道をとり暫くすると、鳩待ち峠へ後2Kmの道標に会う。2Kmと言えば毎朝のWalkingの創造の杜2周り以内だと高をくくって歩いて行くと、これが何と遠い事遠い事!! 中々鳩待ち峠は見えて来ない。

 鳩待ち峠には午後2:25到着。朝山の鼻小屋を発ってから7時間半。尾瀬戸倉までマイクロバスの乗り合いタクシーに乗る。この900円は少々高い。しかしこの距離を足で歩くとなると、日帰りの登山は到底無理でしょう。尾瀬戸倉ではバス停前の温泉旅館「玉泉」で一風呂浴びてさっぱりし、そのあと高速バスに乗る前に飲んだ缶ビールの旨さは最高!!

 新宿には予定通り午後8時に到着し、東京駅八重洲地下街の「ラーメン激戦地」で夕食のおそばを食べる。最終的に土気駅に着いたのは午後10:36で、またまた高田さんの奥さんにピックアップして頂いて無事帰宅。感謝・感謝!!