GPS機器を使ってみて


ポータブルGPS機器

(1)GPS機器とパソコン・ソフトの連携

(2)登山準備としてのルート地図作成

(3)登山中のナビゲーションと軌跡作成

(4)歩行軌跡ダウンロードとその分析

(1)GPS機器とパソコン・ソフトの連携

 ここ数年来、「カシミール3D」という地図編集ソフトを使って登山準備にルート・マップ作成などして登山計画に役立てて来ましたが、実際に自分が歩いた軌跡をポータブルGPS機器を携帯して記録したことはありませんでした。

 近年、自分の体力の衰えから自分の登山の折の歩行時間が登山の案内書に記載されている標準時間よりかなり長くなりつつあることが気掛かりになっていました。当然、登山の折は小さいノートを持参してポイント毎の時刻を手作業で記録しておりましたが、この現実をもう少し厳密に然も自動的に記録し、分析出来ればと思っていました。

 先ず、ウォーキング・ルートの決定は、「カシミール3D」ソフトで表示される国土地理院の”5万分の1”か”2万5千分の1”の地図上で事前に描きます。そのルート上の重要ポイントには名前を付す事が出来ます。然も、このソフトの素晴らしいところは、描いたルートが直ぐに登り下りの模様を示す断面図に変換出来ることです。このことで、登山の場合はこの区間が急な登りで大変だろうというような判断が出来る訳で、登山の時間配分に役立ちます。

 次に、この事前のルート・データーは、USBケーブルを通じてポータブルGPS機器にアップロード出来ます。このルート・データが皆さんカーナビでお馴染みのように、山歩きの際のナビゲーションに使えるのです。ナビゲーションの際には自分で予め名前を付けた区切りポイント毎に、次はどの方角に進めば良いかがポータブルGPS機器の画面に表示されます。勿論、カーナビと同じように、自分のこれまで歩いてきた平均スピードが計算され、それによって目的地への到着予定時刻が提示されます。

 更に、ルートの歩行開始前に、GPS機器の軌跡モード・スウィッチをオンにしておけば、実際に歩いた地点の経緯度、標高、時刻、歩行速度等が自動的に軌跡データとしてGPS機器のメモリーに記録されます。勿論、これらのデータはGPS機器が4つ以上の人工衛星からの電波をもとにして計算されたものです。「頁トップへ戻る

(2)登山準備としてのルート地図作成 

 「カシミール3D」というソフトは同名の一連の書籍に付属として付いている地図編集ソフトで、それを通して国土地理院の”5万分の1”と”2万5千分の1”地図データを呼び出し、それに自分の計画している山行きのルート情報等を付して色々と編集・加工出来る機能を持った登山やハイキング愛好家にとっては大変便利で面白いソフトです。

 この一連の書籍には:

  「カシミール3D」入門編、パーフェクトマスター編、GPS応用編、GPSで山登り編、図解実例集・・・等々があります。何れも一冊2,000円前後で買える手軽な本ですが、このソフトの使い方を習熟するには、先ず入門編から入って、次にパーフェクトマスター編で勉強すれば良いのではないかと思います。更に今回の小生のように実際にポータブルGPS機器と連携させて地図編集を楽しむには、3番目のGPS応用編を読む必要があるのではないかと思います。4番目のGPS山登り編は、関東甲信越の有名な300の山への登山コースのGPSルート・データが収録されているCDが付属しているので、自分で白紙からルート・データを作成しなくても済みますので大変便利です。

 さて、この頁では登山準備としてのルート地図作成に就いて説明致します。

 先に触れましたように、「カシミール3D」ソフトを使えば、国土地理院の”5万分の1”か”2万5千分の1”の地図をパソコン上で呼び出し、それに自分がこれから登ろうと計画している山へのルート情報、例えば区切りポイントの名前、アイコン等を付加したルート地図を作成することが出来ます。今回の登山の例は「西吾妻山登山ルート地図」と「西吾妻山登山ルートの断面図」としてこのサイトに掲載されていますのでご覧下さい。

 更に、素晴らしいことには、上のルート地図には自分が歩くルート上の地点だけでなく周辺のGPSデータが含まれているので、そのGPSデータを利用して周辺の風景の3D画像をシミュレーションして描くことも出来るのです。これは計画している山行きで、その山の頂上に立ったら、どの方角にどのような山々が眺められるかも事前にシミュレートして描いて見ることが出来るのです。今回の登山の例は「西吾妻山登山の写真」の頁に「頂上付近から眺めた裏磐梯方面のシミュレーション写真」としてこのサイトに掲載してありますのでご覧下さい。

 従来は、山行きの準備として以上の”ルート地図”、”ルートの断面図”、及び”頂上からのシミュレーション画像”の3点セットを準備し、紙に印刷してから登山に出掛けていました。しかし、今回はこの紙に印刷されたルート地図の替わりに、そのルート地図データをポータブルGPS機器にアップロードしてから、そのGPS機器を山行きに携帯して登山のナビゲーションに利用しようと試みました。「頁トップへ戻る

(3)登山中又は歩行中のナビゲーションと軌跡作成

 前頁で紹介した書籍「カシミール3D GPS応用編」では、パソコンと連動して使えるポータブルGPS機器に就いての紹介が載っています。

  ここで”パソコンと連動して使える”という意味は、パソコンで作成したルートのGPSデータをGPS機器にアップロード(転送)してナビゲーションに使えたり、逆にGPS機器で記録されたトラック(軌跡)データをパソコン側にダウンロード(逆転送)出来る機能を持っているということです。 

 上述の書籍によると、ポータプルGPS機器はGarmin、Casio,MLR、エンベックス、Magellan,Suunto等の数社から発売されているようですが、小生が街の小売店で調べたところによると、今日カーナビとして大いに普及しているGPS機器に較べて、特に日本語対応のあるものは、まだまだ市場に多く出回っていないようでした。事実、千葉市内の登山専門店”好日山荘”や家電量販店”ヨドバシカメラ千葉店”には在庫がなく、注文があれば取り寄せるということでした。結局、小生はヨドバシカメラの秋葉原店まで出向いて、現物を見た上で購入しました。

 その中で、Garmin社の「eTrex Legend HCx」を日本語版があること、値段もまずまずそれ程目の飛び出る程高くはないこと(\58,800)、日本でのサポートがある(サイトのURLは:www.iiyo.net)という点で、小生は選びました。

 このGPS機器「eTrex Legend HCx」を実際に使ってみて感じたことは:

  (1)森林の樹木の深い地点でも衛星からの電波の受信感度が比較的よい

  (2)USBケーブルを通してパソコンとデータのやり取りが出来ること、

  (3)手入力されたりパソコンからアップロードされたルート情報に従ってナビゲーションが出来ること

  (4)地点とかルート等のGPSデータに対する検索機能があること

  (5)軌跡データを記録できる機能があり、それをパソコンにダウンロードして自分なりの分析に使えること

  (6)その他の機能として、カレンダー表示、日の出日の入りや月の出月の入等の時刻表示も出来る

等など登山愛好者には中々有難い機能を持っていると思いました。 しかし、このメーカーのGarmin社はアメリカの会社であるためか、操作マニュアルが翻訳調を抜け切らず、然も所謂ReferenceManual的であるため、始めての購入者がこれらの多彩な機能を使いこなすのは少々時間が掛るのではないかと思いました。

 そこで、この項では小生が使い始めた折に経験した具体例を挙げて機能の概要を説明致したいと思います。勿論、操作手順の詳細は実際にマニュアルを読んで頂かなければならないと思いますが・・・・。

 パソコンで用意したルート・データのへのアップロード

 このサイトの「西吾妻山登山ルート地図」の頁で紹介しました今回の登山ルートをGPS機器にアップロード
 するには:

   ○ 先ず、GPS機器購入時に同梱されてきたCD−ROMから、”Trip&WaypointManager”と
      ”GarminUSBドライバー”をパソコンにインストールします。

   ○ 次に、GPS機器購入時に同梱されてきたUSBケーブルでパソコンとGPS機器と接続し、両者の電源を
      Onにする

   ○ 「ガシミール3D」ソフトを立ち上げ、メニュー「編集」 → 「GPSデータ編集」 → 「GPSエディター画面」
      表示 → アップロードすべき「ルート」を指定 → メニュー「通信」 → 「GPSアップロード予約」

   ○ GPS機器の右上の「ページ」ボタンをクリック・スティックで何回かクリックして地図を表示して「ルート」が
      アップロードされていることを確かめる

 アップロードしたルート・データを使ってナビゲーションをする

  ○ GPS機器の左下のメニュー・ボタンを何回かクリックして「メイン・メニュー」を表示する

  ○ 「メイン・メニュー」で「ルート」アイコンを選択し、クリック・スティックでクリックして → 「ルート」画面表示
     → アップロードされた「ルート」選択 → クリック・スティックでクリック → 「ルート名と区切りポイント」
     表示 

  ○ 「ルート」を確認したら → 画面左下の「ナビゲート」ボタクリック → ナビゲーションが開始される

  ○ ナビゲーション中は設定した区切りポイントに近づく度にビープ音が鳴り、そのポイントを通過すると
     GPSの画面上に下の図のようなナビゲーション情報が表示されます。

 

 登山中又は歩行中の軌跡を記録する

 登山中又は歩行中の軌跡をGPS機器に記録させるには:

  ○ 歩き出す前にGPS機器の左下のメニュー・ボタンを何回かクリックして「メイン・メニュー」を表示する

  ○ メイン・メニューの「軌跡」アイコンをクリック・スティックでクリックして → 「軌跡」画面表示する

  ○ 「軌跡」画面の最上段の軌跡ON/OFFスウィッチをONする

  ○ 歩行軌跡のGPS記録は10,000ポイントまで機器の内部メモリー又は挿入してあるMicro-SDカード
     に記録されます

  ○ この軌跡GPS記録はGPS機器の画面でも見ることが出来ますが、GPS画面は非常に小さいので、
    後述するようにパソコンにダウンロードしてから、パソコンの「カシミール3D」等のソフトで分析・表示した
    方が判り易いと思います「頁トップへ戻る

(4)歩行軌跡ダウンロードとその分析

  軌跡データのパソコンへのダウンロード

  ○ 「カシミール3D」ソフトを立ち上げ、メニュー「編集」 → 「GPSデータ編集」 → 「GPSエディター画面」
     表示 → ダウンロードすべき「トラック(軌跡)」を指定 → メニュー「通信」 → 「GPSダウンロード」

  ○ 「カシミール3D」ソフトで表示される地図にこの軌跡をプロットするには:

     「アップロード/ダウンロード画面」で、メニュー「カシミール3Dに保存」をクリックする

  ○ 「カシミール3D」ソフトの中に保存された「トラック(軌跡)」データは、メニュー「編集」から「ルート」
     データに変換すれば、山行きや歩行準備で作成した「ルート」のように国土地理院の5万分の1
     や2万5千分の1地図にプロットして表示出来ます。この「トラック(軌跡)」データから変換した
     データには、各区切り点を通過した時刻やその標高や径緯度が記録されていますので、
     今回の西吾妻登山の場合は地図上に実際の歩行ルートや下の図のように歩行断面図などを
     表示することが出来ます。

 軌跡データのGPSによる分析

 GPS機器の「メイン・メニュー」から「トリップ・コンピュター」のアイコンを選んでクリック・スティックでクリックし
 ますと、GPS機器に記録された軌跡データの総括を算して下図のように表示してくれます。

 軌跡データのExcelによる分析

 GPS機器により記録される軌跡データは下のようなCSV形式(Comma Separated Value)のTextファイルで
 あることが判りました。

通過地点 順番 北緯 東経 標高 通過時刻 年月日 時間差 距離Km 方位 速度Km

1 37.451507140.082735 1819.4 9:23:52 2009/8/24 0 0 0 0

2 37.451491 140.082718 1821.4 9:25:24 2009/8/24 92 0.006 219.08 0.2

3 37.451516 140.082708 1822.8 9:29:34 2009/8/24 250 0.008 342.14 0.1

4 37.451481 140.082692 1824.2 9:30:21 2009/8/24 47 0.012 199.84 0.9

5 37.451458 140.082699 1824.7 9:30:38 2009/8/24 17 0.007 165.85 1.5

6 37.45144 140.082737 1824.7 9:31:38 2009/8/24 60 0.011 120.68 0.6

     − 以下省略 −

このテクスト・データをExcel形式のデータに変換して通過地点名等付加情報を加えると以下のように表示されます:

通過地点 順番 北緯 東経 標高 通過時刻 年月日 時間差 距離Km 方位 速度Km/h
北望台リフト終点 1 37.4515 140.083 1819.4 9:23:52 2009/8/24 0 0 0 0
2 37.4515 140.083 1821.4 9:25:24 2009/8/24 92 0.006 219.08 0.2
3 37.4515 140.083 1822.8 9:29:34 2009/8/24 250 0.008 342.14 0.1
4 37.4515 140.083 1824.2 9:30:21 2009/8/24 47 0.012 199.84 0.9
5 37.4515 140.083 1824.7 9:30:38 2009/8/24 17 0.007 165.85 1.5
6 37.4514 140.083 1824.7 9:31:38 2009/8/24 60 0.011 120.68 0.6
7 37.4514 140.083 1826.2 9:31:54 2009/8/24 16 0.004 157.82 1
8 37.4514 140.083 1826.6 9:32:17 2009/8/24 23 0.013 168.49 2.1
9 37.4514 140.083 1829 9:32:42 2009/8/24 25 0.009 185.17 1.3
10 37.4513 140.083 1829 9:33:08 2009/8/24 26 0.008 142.07 1.1
- 中間省略ー
778 37.4507 140.083 1899.7 14:57:28 2009/8/24 39 0.013 264.93 1.2
779 37.4506 140.083 1897.3 14:57:55 2009/8/24 27 0.011 258.44 1.4
780 37.4506 140.083 1893.5 14:58:31 2009/8/24 36 0.009 274.2 0.9
781 37.4507 140.083 1891.5 15:00:06 2009/8/24 95 0.007 305.84 0.3
782 37.4507 140.083 1887.2 15:00:38 2009/8/24 32 0.022 304.69 2.4
783 37.4508 140.083 1880.5 15:00:58 2009/8/24 20 0.02 335.23 3.5
区間小計 23分52秒 23.53 0.474 1.79
北望台リフト頂上 784 37.4508 140.083 1871.8 15:01:26 2009/8/24 28 0.006 342.54 0.8
全行程合計 5時間.19分.45秒 7.896km 1.89km/h

 歩行の総括はExcelの関数を使って次のように計算されます。

   歩行時間 → =TEXT(G816 - G2,"h時間mm分ss秒") = 5時間19分45秒

   歩行距離 → =(TEXT(SUM(J2:J816),"##.###"))&"Km" = 7.896Km

   平均速度 → =AVERAGE(L2:L816) = 1.98Km/h

 これらの数字は先に示したGPS機器のトリップ・コンピュータにより計算した数字とほんの僅か違いますが、これは出発する前とゴールに到着した折のタイミングの違いに関係ありそうです。

 これらの分析結果の数字は実際に自分が歩いたルート地図などに載せれば、自分の登山動向を地図上で視覚的に表示することが出来て便利です。 このサイトの「旅行の行程」の頁には今回のルートをイラスト地図として掲載していますが、このイラスト地図にはここで分析した各地点の経過時刻を表示してありますので、ご確認下さい。 

 この他に各”区切り地点間”の歩行スピードなどにより、どの区間で難渋して時間が掛ったかなども知ることが出来ます。

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