日光白根ロープウェイ頂上駅前(標高約2,000m)より東南東に日光白根山(標高約2,578m)を臨む

 深田久弥による「日本百名山」では奥日光白根山の頁の冒頭で次のように述べています。

 「この山について一番詳しく書かれた一番古い本は、植田孟縉(うえだもうしん)の『日光山志』第4巻(天保7年刊)であって、その記事では、外輪山の一峰を前白根山、その西の本峰を奥白根山と呼んでいる。 普通日光白根山と呼んでいるのは草津の白根山と区別するためである。日光群山の最高峰であり、男体山の奥院ともいわれる。

 奥日光に遊ぶ人は、直ぐ前にある大きい男体山や太郎山に眼を奪われて、奥白根山に注目する人は極めて少ない。 中禅寺湖畔から戦場ヶ原の一端に立つと、原を距てて左手に連なる前山の上に、奥白根山の尖端が僅かに見えるが、進むに従って姿を消し、湯元では全く見えない。 だから奥白根山と言っても、誰の眼にも親しい山ではない。

 この山をよく眺めるには、男体山や皇海山(すかいさん)、或いは武尊山(ほたかさん)や燧岳(ひうちだけ)、それら東西南北の山々から望んだ時、真に日光群山の盟主にふさわしい威厳と重厚をそなえた山容が得られる。 かつて平ヶ岳の頂上から眺めて、連山を抜いて一きわ高く豪然とそびえている、その立派な姿に驚いたことがある。 上信越国境では最高の峰である。 浅間より高い。

 麓からその全容を捕えるのに困難な山であるが、遠く離れるとよく見える所がある。 それは上野から高崎へ行く汽車の窓からで、赤城が見えだした頃その右手に、整った円錐形の男体山、それに並んで更に高く、ウォリュームのある白根山が眺められる。 関東平野が冬ざれの一色に塗られている時、その果てに純白の雪を光らせる。
     − 後略 − 」 

 昨年、2008年の8月下旬遥か遠方山形の鳥海山登山に向かい、暴風雨の中4合目の大平山荘で足止めを食い、同行のKtさん夫妻と鳥海山への再挑戦を誓っていました。 6月初旬そのKtさんからメールで鳥海登山の打診を頂きました。 諸種のデータを集めて検討した結果、7月の初旬に遠路秋田・山形まで出かけても、梅雨の最中に天候に恵まれて鳥海山への再挑戦が叶う確率は非常に低いだろうとの結論に至り、それならいっそ近場の温泉場に宿をとり、天候に恵まれたら登山をし、雨であれば温泉を楽しもうということになりました。

 Ktさんがよく利用される「休暇村」の日光湯元の宿泊予約を7月1日(水)と7月2日(木)の2日取って下さったので、万が一にも梅雨の晴れ間に巡りあえば、日光白根山に登ってみようということになりました。