曽良の随行日記によると2人は旧歴5月8日日(陽暦6月24日)の夜は塩釜の法連寺門前の治兵の宿に泊まり、その翌日の早朝塩釜神社に参詣し、その神社のきらびやかさ感動し、同時に境内にある文治灯籠を目にし、和泉三郎こと藤原忠衡の忠義心にも感銘をうけている。 その後、塩釜港から船を借りて松島湾を松島まで渡っている。 その夜は松島で興奮で眠られない夜を過ごしている。

塩釜神社

塩釜市の塩釜神社の優美な拝殿

早朝、塩釜の明神に詣もうづ。

芭蕉は神社の建物の大変な美しさに感動を受けた。

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芭蕉の奥の細道:5月9日の旅

 早朝、塩釜の明神に (もう)づ。
国守再興せられて宮柱ふとくし、 彩椽(さいてん)きらびやかに、石の階九仭(きざはしくじん) に重なり、朝日あけの玉垣かかやかす。かかる道の果て、塵土の境まで、神霊あらたまにましますこそ、我が国の風俗なれと、いと貴けれ。神前に古き宝燈あり。かねの扉 の面に、「文治三年 和泉三郎 寄進」とあり。五百年来の(おもかげ) 、今目の前にうかびて、そぞろに珍し。 かれは勇義忠孝の士なり。佳名今に至りて、したはずといふ事なし。誠に人能く道を勤め、義を守るべし。「名もまたこれにしたがふ」といへり。
 日既に午に近し。船をかりて松島にわたる。その間二里余り、雄島の磯につく。

早朝、塩釜の神社にお参りする。これほど遠隔の地の神社の大変な美しさに感動をうけた。神前の宝燈の扉に和泉三郎の名前をみた。その勇義忠孝の名は今にも残っていて皆慕っている。
その後、船を借りて松島に向かい、雄島の海岸
に上陸した。

 

 

筆者の第九回目のツアーの行程:
平成24年6月5日(火)

芭蕉の足跡を訪ねて長兵衛が詠む:

  塩釜や 若葉青葉の  (やしろ)かな

  息切らす 石のきざはし 森の中

  一の宮 緑と朱の 華やかさ

  初夏の海 色鮮やかに 島の松

第九回目のツアーの1日目:
塩釜から松島に渡るルート地図

塩釜港塩釜港マリーン・ゲート

仙台駅からバスで約50分の旅で塩釜港マリーン・ゲートに到着した。塩釜港は平成23年3月11日の震災と津波の被害から13か月ぶりの4月に復旧したばかりであった。

塩釜神社の長い石段塩釜神社の202段の長い急な石段の参道

奥の細道には石の階九仭に重なりとあるので恐らく芭蕉もこの長い急な石段を登っただろうと想われる。

塩釜神社の随身門塩釜神社の随神門

202段の石段の上に更に20数段の石段があり、その先に両脇に左大臣、右大臣像を控えた立派な随神門が建ってる。

塩釜神社の拝殿塩釜神社の左右宮の拝殿

この神社は陸奥一宮としての古い歴史を持ち、更に当時の伊達藩に再興され、4代藩主綱村によって荘厳華麗な社殿が造営された。

文治灯籠拝殿の右側に建つ文治灯籠

金属製の扉の表面に「文治三年和泉三郎寄進」と刻まれているのを認めて、芭蕉は五百年来の俤、今目の前にうかびて、 そぞろに珍し・・・ と奥の細道にその感動を記している。灯籠を囲む四十四本の石柱には仙台地方の俳人の四十四句が刻まれています。

タラヨウの樹県指定記念物タラヨウの大木

タラヨウの葉は硬いものでなぞると黒く変色して消えないために、昔はこの葉に文字や絵を書いて残したという。名取市の道祖神神社の境内にもタラヨウの木はあった。


 

塩釜桜 境内の塩釜桜の若木と桜の花びら
古くから和歌に詠まれた塩釜桜は天然記念

 

志波彦神社志波彦神社の拝殿<> 明治天皇の思召しでで仙台市岩切から当地に移された国費で建てられた最後の社殿

 

塩釜神社博物館塩釜神社博物館

1階には神社にまつわる宝物類や大神輿が飾られており、2階には塩業や漁業の実物展示がある。 屋上からの塩釜湾の眺めは素晴らしい。

大神輿ー塩釜神社塩釜神社の大神輿

この1トンを超す大神輿は7月10日の例祭にあの202段の急な石段を下って市内に繰り出されるということです。

 

芭蕉止宿の地石碑
芭蕉止宿の地の石碑

法連寺は、現在の裏(東)参道下段にあった真言宗の寺院で、その門前には旅籠や茶店が並んで賑わっており、旧歴5月8日日(陽暦6月24日)の夜、芭蕉は久し振りに銭湯に入ったと記している。

御釜神社御釜神社

塩釜神社の裏参道の西側の路地を入ったところにある塩釜神社の末社の一つで、海水を煮て塩を作ることを教えた神様が祀られている。

海水を煮る鉄釜海水を煮て塩を作る鉄釜
拝殿の左側に塩を煮る鉄釜が4基祀られている

塩釜港を出港する塩釜港を出港する
14:50 丸文松島汽船で塩釜港を出港し松島に向かう。

丸文松島汽船上で丸文松島汽船の芭蕉コース船上にて

社長自らの懇切丁寧なガイドで大変楽しいクルーズでした。芭蕉に関する説明は勿論のこと平成23年3月の震災や津波の状況に就いての説明もあった。塩釜港は突き出ている半島と島のお蔭で浸水はしたが津波による破壊は少なかったという。

松島湾の鐘島松島湾の鐘島

松島湾の中央に位置し、断層の弱いところを波が打って破壌した洞門が4つもあり、自然との長い戦いの跡を物語っている。大波が打ち寄せると、まるで鐘を打ったように聞こえる事から島の名前が付けられた。

松島港松島港に到着

約50分のクルーズで松島港に到着。五大堂と福浦島が背後に見える。

ホテル大観荘ホテル大観荘

16:05 宿泊先のホテル大観荘に到着。ホテルは松島湾を臨む絶好の高台にあった。

ホテルの部屋からの眺めホテルの部屋からの眺め

7階の客室からは殆ど松島湾全体が臨める最高の眺めであった。

夕食の膳夕食の膳

夕食の膳は11品のコースで食べ切れないほどであった。